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ONE championshipは日本格闘技界にとって黒船なのか?救世主なのか?


2015年に旗揚げされ、日本の格闘技を大いに沸かせているRIZINですが、日本の格闘技市場にはもう一つ大きな波が押し寄せています。

ONE championshipは2011年にシンガポールで旗揚げされました。2012年にはアジア24カ国で放送されているFox Sports Asiaと10年間の契約を結ぶなど、一気にアジア格闘技のビックイベントとなりました。当時は一部の日本の格闘技ファンの一部が知るイベントでしたが、日本人の有力選手と次々契約すると2019年3月についに日本大会を開催。本格的に日本市場に参戦してきました。修斗とパンクラスという日本の老舗団体とパートナーシップを結ぶなど、日本での足元を固めてきています。パンクラスはそれに伴い、ONE championshipでの判定基準に類似した新ルールを発表しました。

ONE chanmpionshipは世界最大のメガベンチャー、セコイアキャピタルに1億6600ドルもの投資を受け、圧倒的な資金力でUFC最多防衛回数を誇るデメトリアス・ジョンソン、UFCのプロスペクトとして未来が期待されていたセイジ・ノースカット、かつて日本でも活躍し、Bellator、UFCのタイトルも獲得した経歴をもつエディ・アルバレスなど世界のトップ選手とも契約を結びました。また、ムエタイのレジェンドたちとも次々契約を交わしています。

エディ・アルバレスはONEの提示してきた条件は他と比べ物にならないほどいい条件であったと語っており、、ONEの資金力が強大なものであることがわかります。

また、2018年にはローマン・ゴンザレスからタイトルを奪い取った シーサケット・ソー・ルンヴィサイが防衛戦を行うなど、総合格闘技、キックボクシング、ムエタイだけに留まらず、ボクシングにも手を広げ、今やUFC、Bellatorに続く第三の団体となりつつあります。

果たして、ONE championshipはRIZINを中心とした日本格闘技界にとって黒船なのか、それとも救世主なのか、そのことについて考えてみたいと思います。

ONE championshipは黒船なのか

ONE championshipがパートナーシップを結んだ修斗とパンクラスは日本の総合格闘技の有力団体であり、RIZINにも数多くの選手を送り出しています。ONE championshipが日本の有力団体とパートナーシップを結ぶことで、RIZINに有力選手が輩出されないのではないか、という不安がRIZINファンにはきっとあることでしょう。

そういった日本での足元を固めるONE championshipの活動は一部ではRIZINを潰しにきている、と捉える方々もいらっしゃるようです。また、有力な日本人キックボクサーとも多く契約を交わしており、契約が独占契約のK-1以外の大きな日本のキックボクシング団体も危ないのではないかと危機感を抱いている方々も多くいるようです。
パンクラスと修斗のチャンピオンはONE championshipと契約することになっており、ONEもまた独占契約のような形態をとっています。そうすると、日本の有力団体でチャンピオンになれるクラスの選手がどんどんとONE championshipに流れていってしまい、RIZINにとってこれの状況は決して楽観的に考えることはできない状況でしょう。

また、ONE championshipは世界最高峰の格闘技団体UFCの元チャンピオン、デメトリアス・ジョンソンとONE championshipの選手であるベン・アスクレンをトレードしました。これはUFCがONE championshipを対等に見ているということでもあると思います。

そして、ONE championshipでデビューを果たしたデメトリアス・ジョンソンは日本の若松佑弥選手に勝利を収めたものの、戦前の予想とは異なる若松選手の善戦を許しました。エディ・アルバレスとセイジ・ノースカットはまさかのKO負けを喫しました。
かつて世界最高峰だったPRIDEの流れを汲むRIZINのファンにとっては受け入れがたい現実かもしれませんが、ONE champion shipの競技レベルはかなり高いのです。

RIZINも同様に競技レベルの高い舞台です。堀口選手を筆頭に、朝倉選手、RENA選手、浜崎選手、イリー・プロパースカ、那須川天心選手など数々の世界で戦える選手を抱えています。

しかし、日本での足元を固められ、デメトリアス・ジョンソンやエディ・アルバレスと契約することができるONE championshipがすぐ近くにいるということはRIZINの有力選手のマッチメイクに大きな影響を及ぼすのではないでしょうか。

格闘技には様々な魅力がありますが、「誰が一番強いのか」という根源的なテーマからは離れることができません。有力選手がONE championshipと契約を結ぶ状況が続くのであればそれはRIZINにとってよろしくない事態だということが考えられます。
そして、もし仮にRIZINで魅力的な試合を組むことができなくなってしまうと、RIZINファンの熱気も下がってしまう恐れもあります。

ONE championshipはそういった意味ではRIZINにとって警戒しなくてはならない存在であるということができるかもしれません。

ONE championshipは救世主なのか

一方でONE championshipは日本の格闘技界にもいい影響を与える可能性もあります。

日本で格闘技だけで生計を立てる選手はそれほど多くはないでしょう。多くの総合格闘家、キックボクサーは日中仕事をしており、仕事と練習という非常にハードな生活を送っています。

2018年にONE championshipミドル級王者のエヌサン・ヌグエンと激闘を繰り広げた長谷川賢選手は試合後にTwitterで即座にボーナスが振り込まれたことを報告していました。

ボーナスの具体的な額は明らかではありませんが、エディ・アルバレスが大型契約を匂わせていたように、ONE championshipはメガベンチャーから受けた超大型投資や、Fox Sports Asiaとの契約など豊富な資金があります。豊富な資金は有名な選手との契約を実現し、話題を呼びます。そしてその選手を見たいがために多くのファンがONE championshipに訪れます。見たい人が増えればそれだけONE championshipの価値は高まり、放映権料などからさらなる収益も見込めるでしょう。

ONE championshipは団体の価値そのものが高くなってきています。団体の価値が高くなればそれだけそこで戦う選手たちも潤うでしょうから、格闘技だけで生活をすることが可能になります。しかもONE championshipはアメリカなどではなかなか人気の出ない軽量級を中心に大会を開催しています。軽量級の選手が多い日本の格闘技界にとっては、ONE championshipというアジアの近くにある大きな団体と契約をすることで格闘技だけで夢を掴むことができるかもしれないという可能性が大きくなったわけです。

さらには格闘技に専念することができるようになると競技レベルが上がる可能性もあります。仕事をしながら練習をするというハードな生活と、格闘技が中心の生活どちらがより良いパフォーマンスを発揮することができるかは明らかでしょう。

また、それだけではありません。先程はONE championshipの脅威を述べてきましたが、大きなライバルが近くに存在するということはRIZINとRIZINファンにとってもメリットがあるのではないでしょうか。

RIZINは2018年大晦日に非UFC系最強ファイターの一人とも言えるBellatorバンタム級チャンピオンのダリオン・コールドウェルと堀口恭二選手の試合を行いました。その時は堀口選手が劇的な勝利を収めましたが、次は2019年6月14日にマディソンスクエアガーデンで堀口選手がコールドウェルのBellatorのベルトに挑むのです。

同様にRENA選手もBellatorに出陣しますし、先日行われた「RIZIN.16」では浜崎選手が世界的な女子格のプロモーションである「Invicta FC」のチャンピオンであるジン・ユ・フレイとの防衛戦を行いました。

RIZINはここ最近、BellatorやInvictaと良好な関係を築いており、これはONE championshipという脅威が迫ってきたからこそとも言えるのではないでしょうか

日本の総合格闘技のビッグプロモーションは RIZINのみであり、競合がいない状態でした。そこにONE championshipというライバルの存在はRIZINの成長にプラスの方向に働くのではないでしょうか。

まとめ

これまでONE championshipの脅威とメリットについて考えてきましたが、結論はONE championshipは救世主なのではないでしょうか。

ONE championshipが日本に進出をし始めてから RIZINは一気に動き始めました。また多くの日本人選手がONE championshipに出場していることから格闘技ファンも活気付いてきているような感じがします。

RIZINにはRIZINの良さが、ONE championshipにはONE championshipの良さがあります。共に格闘技団体ではありますが、その色は大きく異なります。

アジアと世界の軽量級の覇権を狙うONE championshipとかつての古き良き日本格闘技の再建を目指し、「お祭り」ではなく「格闘技団体」としての歩みを始め、大きく動き出したRIZIN。このアジアの二つの団体が共に切磋琢磨し、UFCやBellatorにも引けを取らない世界的なプロモーションと成長していく姿を追い続けたいと思います。


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