コラム

UFCはつまらなくなったのか?UFCをより楽しく観戦する方法を考える


1993年に最強の格闘技を決める大会として「なんでもあり」の格闘技として誕生したUFC。当時は野蛮であるなどの批判がありましたが、今では総合格闘技の頂点に君臨する大会へと成長を遂げました。金網で男たちが激しく戦うUFCは暴力的であるなどとの批判も強く残り続けましたが、世界各国で人気を獲得し、2016年には全米で唯一総合格闘技が禁止されていたニューヨーク州でも開催が可能になるなど、スポーツとして確固たる地位を獲得しています。

UFCはPRIDE消滅以後の総合格闘技の世界最高の舞台として様々な名勝負が繰り広げられ、数々のスターを生み出してきました。中でも、コナー・マクレガーは2018年のスポーツ長者番付で4位にランクインするなど、UFCで総合格闘技の選手として史上最高の地位を獲得した選手と言えるでしょう。
しかしそんなUFCですが、SNSなどで「つまらなくなった」との意見を目にすることが近年増えてきました。

果たして、世界中の人々を熱狂させてきたUFCは本当につまらなくなったのか。そのことについて考察していきたいと思います。

説その1 選手が増えすぎた?

UFCがつまらなくなったと考えられる要員として選手数の増加が考えられます。現在UFCは公式のホームページによると、男子が1357人、女子が138人、合計で1495人ものファイターと契約をしています。年間の大会数が増えたとの声もありますがUFCの大会数がもっとも多かったのは2014年で46回もの大会を開催しています。ほぼ週一で開催するという驚異的なペースの大会数です。それから2018年までは40前後の大会数と数が大きく増えたということはありません。2019年も年40回ほどのペースで進んでいます。

選手数については具体的なデータがないのですが、年間40に対して1500人近いファイターが存在するというのはもしかすると飽和状態に近いのかもしれません。一回の大会につき13試合ほど組まれるとすると、合計出場選手は1040人となります。450人ほど1年に一度も試合ができない選手が存在するという計算です。実際は怪我での欠場や、ドラッグテストの失格により出場停止処分を受けるなど、試合に出場することができる選手はもっと少なくなりますが、働き者であるライト級のドナルド・セラーニなどは年間3試合から4試合行うなど、複数回試合に出場しています。そうするとその分試合に出ることができない選手も当然いることになるわけですから、UFCは選手数に比べて大会数が少ないということになります。実際にRIZINで現在大活躍をしている堀口恭司選手はUFCで試合が組んでもらえないという危機感から、2017年に活躍の場をRIZINへと移す決断をしました。また、バンタム級のランカーであるジョン・リネカーは家族を養うためにアルバイトをしており、UFCに試合を組まないのであればリリースしてほしいと要求していました。

ファイターも生活がかかっていますから、試合を求めます。UFCも契約した以上試合をさせないというわけにはいきませんから、多くの選手の試合を組みます。そうすると、有名で人気のある選手の試合ばかり組むわけにはいかず、まだ有名ではない選手の試合もたくさん組む必要が生まれ、全体として大会のカードが薄くなってしまっているということが考えられるのではないでしょうか。

最近のUFCはメインとセミに有名選手同士の試合を組み、後のカードは薄めということが多くあります。やはり選手数の多さは最近のUFCは面白くなくなったと感じる人が増えた要因なのではないでしょうか。

説その2 スター選手の不在

二つ目に考えられる要因はスター選手の不在です。

かつてUFCの王者に君臨したスター選手は引退や、加齢による衰えからその存在感を薄めています。プロレスで圧倒的な人気を誇り、UFCでヘビー級王座を獲得したブロック・レスナー卓越したテクニックでMMAの歴史を10年進めたと言われるジョルジュ・サンピエール、ミドル級で絶対王者として歴代2位の防衛回数を誇り、トリッキーな動きでKOを量産したアンデウソン・シウバ、UFCにおいて女子の歴史を切り開いたロンダ・ラウジー、そしてUFC史上最高のスター、コナー・マクレガー。

さらには王者ではないものの、絶大な人気を誇るディアス兄弟も長い間試合から離れています。ジョン・ジョーンズはスターですが、ライバルであるダニエル・コーミエとの関係がお互いを輝かせていました。現在 ジョン・ジョーンズは強すぎてライバルがいない状況です。ダニエル・コーミエは間違いなくレジェンドですが、引退が間近に迫っています。

スター候補であったコディ・ガーブラントはスランプに陥り、TJ・ディラショー、マックス・ホロウェイは2階級同時制覇を狙いましたが、共に王座獲得に失敗し、そのチャンスを掴むことができませんでした。また、女子や最軽量級であるフライ級はなかなかアメリカでその人気を確立するには至っていません。フライ級に関しては存続すら危ぶまれている状況です(個人的にはスピーディーで面白いのですが)。

このようなスター選手の不在がUFCがつまらなくなったと感じる要因でもあるかもしれません。2018年のPPV売り上げはマクレガー、ジョン・ジョーンズが’メインだった大会と他の大会とでは大きな開きがあります。

説その3 WME-IMGによる買収

UFCは2016年にWME-IMGによって40億円というスポーツ史上最高額で買収されました。

その時期から、マッチメイクの傾向が変わったとの声がSNSで見られるなど、ファンは少なからず変化を感じているようです。

UFCはタイトルを中心にマッチメイクを組んだり、時には夢のようなカードを組むなどしてきました。しかし買収以降、どちらもタイトル挑戦へと進むことのできなさそうなマッチメイクや、期待の若手同士を潰し合わせるようなマッチメイクが増えたとの声が多く見受けられます。

個人的にはこの説は根拠にかけるのでここまでとします。

UFCをより楽しく観戦するには

「つまらなくなった」との声が上がるUFCですが、管理人はいまだにUFCがある週末はワクワクしながら目覚めています。

ここでつまらなくなったと感じる人が少しでもUFCを楽しく見ることができるようになるにはどうすれば良いか、ということを考えて見たいと思います。

UFCをプレリミナリーファイトから全て観戦している格闘技ファンは多いと思います。しかし、今まで見たことのない選手の試合というものはなかなか感情移入しにくく、熱が入りにくいのもまた事実だと思います。これまで考えてきた説その1のカードが薄いということに対しては、プレリミをただ見るのではなく、知らない選手がどのような選手なのかということを予習し、その選手のことを知ることでより楽しくUFCを見ることができるのではないかと思います。また、これは説その2でも考えたスター選手の不在ということの解消にもつながります。

コナー・マクレガーは誰もが認めるUFC史上最も有名で稼いだ選手ですが、このマクレガーですら初めはプレリミからそのUFCでのキャリアをスタートさせたのです(当然のことですが)。

UFCのプレリミには未知の競合がたくさんいます。その中でも個人的にこの選手は絶対に伸びる!という選手を追い続け、応援することは非常に感情移入することができて楽しいのではないのでしょうか。そしてその選手が王座を獲得した瞬間はまるで自分の知り合いが王座を獲得したかのような大きな喜びを得ることができます。

時間は常に流れています。スターが誕生すればそのスターはいつか引退します。そして新たなスターが誕生します。そのキャリアを追い続けるということはUFCの歴史の証人の一人になることができるということです。

様々な意見がありますが、週末のUFCを今まで以上に楽しく観戦し、素晴らしいファイターたちに夢と希望を分け与えてもらいましょう!


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